準備の大変さ・費用・学びのスタイルを比較
インターナショナルスクールに通うお子さんを持つ保護者の方にとって、進学先を考えるときに気になるのが 「日本の一般入試」と「IB・Aレベルを活用した入試」 の違いです。
ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく整理してみます。
一般入試:短期決戦型の日本式スタイル
準備の特徴
- 高校3年間は受験科目の勉強に集中
- 暗記や過去問演習を中心に「得点力」を高める
- 入試本番の1回の試験がほぼ合否を決める
費用面
- 公立高校の場合でも塾や予備校に通うことが多く、年間50〜100万円程度
- 模試や受験料なども積み重なり、出費は一定以上必要
メリット・デメリット
- メリット:学費負担を比較的抑えられる、国内の進学に強い
- デメリット:思考力や英語運用力は評価されにくく、入試一発勝負でリスクが大きい
実際のケース:一般入試で国内大学に進学したインターナショナルスクール卒業生
ケース①:英語力を武器に一般入試で早稲田大学へ
ある男子生徒は、幼少期からインターナショナルスクールに通い、英語はネイティブレベル。しかし「将来は日本の大手企業で働きたい」という思いから、あえて日本の一般入試に挑戦しました。
数学と国語には苦戦しましたが、徹底的に受験対策を行い、得意の英語科目で得点を稼ぎ、早稲田大学の一般入試に合格。
「インター出身でも、日本式の努力で合格できる」という自信につながったと語っています。
ケース②:医学部を目指して国内受験にシフト
別の女子生徒は、医師になることを目標にしていたため、海外大ではなく日本の医学部を目指す道を選びました。
インターで培った英語力を活かしながらも、化学・生物・数学など理系科目を予備校で徹底的に学び直し、最終的に国立大学医学部に一般入試で合格。
「IBでの学びが論理的思考を鍛えてくれたので、受験勉強にも役立った」と振り返っています。
ケース③:AO入試ではなく一般受験で上智大学へ
もう一人の男子生徒は、当初AO入試やIB入試を検討していましたが、「挑戦したい」という気持ちから一般受験を選びました。
結果として上智大学の一般入試に合格。受験勉強を通じて日本式の学力を身につけたことが、大学入学後の授業理解にも役立っているそうです。
「受験で努力した経験が日本での学びや人間関係の基盤になった」と語っています。
IB・Aレベル入試:長期的・探究型の国際スタイル
準備の特徴
- 探究型・思考型の学習が中心
- エッセイ(論文)、プレゼン、ディスカッションを通じて評価される
- 2年間の継続的な課題提出が求められる
費用面
- インターナショナルスクールの学費が前提となり高額
- IB試験料やAレベル試験料も科目ごとに数万円かかる
メリット・デメリット
- メリット:海外大学と日本大学の両方に出願可能、思考力・英語力を重視する大学に強い
- デメリット:学費負担が大きく、日々の課題や研究型学習の負担も重い
実際のケース:IB資格を活用して国内大学へ進学した生徒
ケース①:IBディプロマで東京大学へ
ある女子生徒は、インターナショナルスクールでIBディプロマを取得。
Extended Essay(課題論文)では「再生可能エネルギーと都市開発」というテーマを選び、英語で20ページ以上の研究を完成させました。
その経験が評価され、東京大学の推薦入試に挑戦。見事合格し、現在は工学部でエネルギー政策を研究しています。
**「IBでの探究型学習が、大学での研究活動に直結している」**と本人は語っています。
ケース②:IBスコアで慶應義塾大学へ
別の男子生徒は、IBの総合スコア36点を取得。
そのスコアを使い、慶應義塾大学のPEARLプログラム(経済学部の英語学位課程)に出願しました。
高校時代に経済学関連のエッセイを多く書いていたため、面接でも自信を持って説明でき、無事合格。
現在は国内にいながら英語で経済を学び、将来は外資系金融機関への就職を目指しています。
ケース③:IBを活かして上智大学へ
また、国際系に関心のあった女子生徒は、IBで「国際政治と人権問題」をテーマに研究。
上智大学の総合グローバル学部へIB入試で合格しました。
日本の大学に通いながらも、留学生と英語でディスカッションできる環境があるという点に惹かれて進学を決めたそうです。
違いを整理すると
- 一般入試=「短期決戦型」:暗記と試験に強い子に向いている
- IB・Aレベル入試=「長期育成型」:探究心が強く、英語での学習に前向きな子に向いている
どちらが良い・悪いではなく、「子どもに合った学び方」「将来どのステージで活躍してほしいか」によって選ぶべき道が変わります。
インターナショナルスクールに通うことで、IBやAレベル資格を取得できれば、日本の大学と海外の大学の両方のドアを同時に開けておけるという大きな利点があります。
一方で、日本の一般入試には「コストを抑えて国内での進学を目指せる」という強みもあります。
親として考えるべきなのは、
👉 子どもにどんな学習スタイルが合うか
👉 将来、国内と海外のどちらを主な舞台にするか
この2点です。
どちらを選んでも、最終的には子どもが自分の力で未来を切り拓くための「環境づくり」をしてあげることが大切です。

